神戸市営地下鉄海岸線・みなと元町駅を下車してきました。
地上出口は2か所のみの小規模な駅で、そのうち1番出口の地上設備には、旧第一銀行神戸支店のレンガ造りの建物(の外壁)が組み込まれています。
訪問日 | 2020年1月4日 土曜日 |
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地上部
1番出口 (旧第一銀行)
まずは1番出口の駅舎全体の画像から。
前述の通り、旧第一銀行のレンガ造りの外壁が組み込まれています。
一見すると腰巻ビル*1のようにも見えますが、ここの場合は旧第一銀行の外壁とマンション本体とがそれぞれ独立した建築物になっています。
旧第一銀行の外壁部分のみを補強して残し、その内側に別途マンションを建てるという形です。
地下への階段は、旧第一銀行外壁の内側に設けられています。
外壁と一体化していない、またもや独立した建築物となっています。
(分かりにくいですが、外壁を支えるフレームの鉄骨と鉄骨の隙間に収めるように配置されています。)
水害対策で階段付近のみ若干地面がかさ上げされており、開錠して持ち上げるだけで使えそうな止水板が地面に埋め込まれていることも確認できます。
三角屋根の部分はフレームのみで表現されており、下から見上げるとこのように空が見えます。
西武新宿駅などでも見るような、円形のサインです。
駅舎に関する説明版。
鮮やかな赤レンガが映える旧第一銀行神戸支店の建物は、辰野金吾博士によって設計されました。
その後は大林組神戸支店として使われていたものの、阪神淡路大震災により被災。一旦は取り壊しも検討されたものの、南・西の外壁を残し、地下鉄駅の出入り口として生まれ変わったそうです。
東寄りにあるエレベーター部。エレベーターは外壁設備と一体化した配置になっています。
2番出口
2番出口の方はレトロな1番出口とは対照的に、ガラス張りのビルに組み込まれています。
1階部分の多くは地下鉄用設備が占めています。2階より上には学習塾や企業オフィスが入居している様子。
入口付近の壁はタイル張りになっており、青・白の2色のドットで模様が描かれています。
シンプルながら、細部の凝った造りが素敵です。ドット模様はサイズの大小が規則的に変化しており、穏やかな海の波模様を連想させます。
エレベータ脇はメリハリの強い水玉模様のタイルで装飾されています。
こちらも海の波の動きを連想させるデザインです。
1番出口と同様に階段周辺が一段かさ上げされており、止水板も装備されています。
地下
改札外通路
1番出口側
地元・元町の芸術家による作品が展示されているスペースも。
1番出口側のエリアの一部の壁は、赤レンガのような雰囲気のタイルが使われています。
この辺りはやや広いスペースがとられており、コインロッカーや公衆電話、自動販売機などの設備が集約されています。
改札口付近
改札口付近の様子。
改札機は3通路分。改札機増設を見越していると思われるスペースもあります。
改札口~2番出口側
通路は白基調のデザイン。壁には石造りの柱を模したと思われるデザインのタイルが、床には大きな菱形のタイルが、それぞれ一定間隔ごとに貼られています。
通路を東側に進むと、曲がり角の手前辺りで一旦床の高さが変わっており、緩やかなスロープが設けられています。
曲がり角とスロープ部との間の辺りに、神戸の海に縁のある船の写真が並べられています。
また、同じく曲がり角の辺りの壁面には、透き通るようなデザインの装飾品が組み込まれています。
水中をイメージさせるような美しい見た目で、しばらく見入ってしまいました。
フィルムシール類が貼られているのではなく、ガラス扉の奥に何らかの芸術品(ガラス製?)が飾られている形です。
その先から通路幅が狭くなります。
2番出口の階段付近。
階段部分も含め、壁にはひし形のプレートが数多く埋め込まれています。
エレベーター脇の装飾タイルは地上階のものと同じようなデザイン。
改札内
基本的なデザインは改札外と同じです。
ごみ箱やトイレは改札内に設けられています。
柱の所に「神戸鉄人プロジェクト」関連の装飾が。
漫画家・横山光輝先生の故郷が神戸市であることから、作品とタイアップしてのまちおこしを企画しているそう。
ホーム
こちらは新長田方先端。
ホーム先端部には仕切り壁があり、その奥に将来的な増結時用のホーム延長スペースがあります。
ホームは階段付近を除き、狭めな個所が多くなっています。
西神・山手線の方は全駅へのホームドア導入が決まりましたが、いずれ海岸線の方にも手は入るのでしょうか。
三宮・花時計前方先端。こちらのホーム延長用スペースあり。
*1:古いビルの外観を維持したまま、その上に新たな高層ビルを合体させた造りの、建築物保存の役割を兼ねたビル