東海道・山陽三十五次

鉄道写真を撮ったりイラスト描いたりするブログです。

2025-06-07|大船駅9・10番線にホームドア据付

去る6月4日頃、大船駅10番線(根岸線ホーム)にホームドアが据え付けられました。
9番線側のホームドアは5月30日から既に稼働が開始されており、稼働中のもの・未稼働のもの両方を同じホームで観察できるということで、様子を覗きに行ってきました。(10番線側は6月23日に稼働を開始しています)

スマートホームドアが付いた9番線に入線するE233系電車
設置されたのは改良型のスマートホームドアで、ドア配置の異なる横浜線(8両)先頭車がかかる箇所に多段式スマートホームドアが採用されています。
多段式のスマートホームドアが採用されたのは根岸線が初めてで、今後近郊線区などに設置される際にも同様のものが活用されていくのではないかと思います。

訪問日 2025年6月7日 土曜日

未稼働のホームドアが開いたまま電車が発車する10番線 ホームドアが開いたままになっている10番線
10番線側です。未稼働のホームドアがずらりと並んでいます。

未稼働のドアは開いたままの状態になっており、旅客が転落する危険があることから、警備員さんが配置されていました。10号車付近から2号車付近まで、概ね2両分に1人ほどの間隔で計5人の配置となっていました。

筐体

通常の筐体

通常のスマートホームドア筐体(未稼働)
戸袋を含む筐体部分です。こちらは未稼働となっている10番線、1号車4番ドア~2号車1番ドア間のものです。

筐体は基本的に白色で、上部にラインカラーである水色の線が引かれています。

「ホームドア調整中」の貼り紙
「ホームドア調整中」の貼り紙。1つの筐体につき2か所ずつに貼られていました。

格納されているドア部分
ドア部分は多くがパイプ材によって構成されており、下6割ほどの部分に黒いドアゴムがつけられています。上4割ほどの部材は少し内側にオフセットしており、ドアが閉じた状態になっても部材同士が接触しないような構造になっています。

ドア格納部と非常ボタン
各ドア内側(線路側)に非常ボタンがあり、押すとドアを手で開けられるようになります。

稼働し、ドアが閉じている状態
一方既に稼働している9番線側のドアです。こちらは2号車1番ドアのもの。列車がおらず、ドアが閉じた状態になっています。上4割ほどの部材同士が接触しておらず、間に隙間があることが分かるかと思います。

ドア上部には警戒色である黄色のラインが引かれており、手を挟んだりしないよう注意を促しています。

点字付きのステッカー
筐体上面には点字付きのステッカーが貼られており、視覚障害者の方でも何号車何番ドアに相当する位置なのか把握できるようになっています。

筐体の根本
筐体の根本です。ホームドア筐体の基礎を入れるため、ホームの笠石が部分的に削り取られています。

狭幅な筐体(先頭車用)

E233系の先頭車のドア配置のズレを説明するイラスト

JR東日本の4ドアの電車は大菅踏切事故を教訓に乗務員室が非常に広くとられており、クラッシャブルゾーン・サバイバルゾーンをふんだんに確保し、乗客だけでなく乗務員の安全をも守った構造になっています。

その影響で、先頭車両の一番前の客用ドアがいくらか車体中央部側に偏った構造になっており、1番目のドア・2番目のドアの間隔が狭くなっています。

幅が狭い先頭車用の筐体
それに対応するため、その位置に置かれる筐体も幅が狭いものになっており、それに伴う扉の格納スペース確保のため、扉が互い違いに入れられる構造になっています。
こちらの写真では1番ドア用の扉はホーム側に、2番ドア用の扉は線路側にそれぞれオフセットしています。

10号車3・4番ドア間の幅狭筐体
10号車側のものです。3番ドア用の扉が線路側に、4番ドア用の扉がホーム側にオフセットしています。

4号車2・3番ドア間の筐体

4号車2・3番ドア間の筐体
4号車2・3番ドア間の筐体は、他の筐体とは少し仕様が異なるものになっていました(見落としていただけで他の号車にもあったのかもしれません)。

9番線用・10番線用ともに、ホーム側から見て向かって右側に何らかの機器が追設されており、上部の窓に白い張り出しが設けられています。また、筐体下部をよく見ると銀色の部材がはみ出ていることも確認できます。

5号車4番ドア・6号車1番ドア間の筐体

操作盤付きの筐体 操作盤付きの筐体
5号車4番ドア・6号車1番ドア間の筐体には、操作盤が取り付けられています。
(当然係員専用の設備ですので、私達一般客は絶対に触ってはいけません)

未稼働となっている10番線側のものは、「調整中」のステッカーが貼られていました。

多段式スマートホームドア

E233系の先頭車・中間車のドア配置の違いを説明するイラスト

前述のとおり、JR東日本の4ドア電車は特殊なドア配置となっており、中間車とはドア位置が異なる箇所があります。

そんな中、ここ8号車には、根岸線の場合は通常のドア配置の中間車が、横浜線直通列車の場合は変則ドア配置の先頭車が停車します。

スマート式ではない通常の可動式ホーム柵を設置した他駅では、この箇所にのみ多段式ホームドアを設置することで開口幅を広くとり、このドア位置の違いに対応していたのですが、これまでスマートホームドアにその多段式タイプの仕様は存在しませんでした。
しかし開発は行われており、遂に今年4月、根岸線・石川町駅のホームドア設置時にお披露目されました。

閉じている状態の多段式スマートホームドア
向かって左側のドアが多段式(2段)になっており、ドアの途中にその継ぎ目が見えます。

多段式スマートホームドアの継ぎ目部分
特に指挟みに注意するべき箇所であるためか、継ぎ目には黄色いペイントがしてありました。「ドアにご注意!」のステッカーも貼られています。

多段式スマートホームドアの筐体
筐体です。先頭車停車位置に設置されていた狭幅タイプの筐体に似ていますが、真ん中に風通し窓がありません。

向かって左側に格納されているのが多段式ドアです。


9号車1番ドア~8号車4番ドア間の筐体です。多段式ドアと組み合わせて使う幅広ドアを格納するためか、筐体の仕様が一部異なっており、風通し窓が一部塞がっています。

その他

工事に関係するその他の写真です。

「大船駅10番線にホームドアを設置します」と書かれたポスター
10番線ホームドア設置および使用開始を告知する駅貼りポスターです。

仮囲い設置のお知らせポスター ホーム上に建てられた仮囲い
ホーム大宮方(10号車付近)に設置されていた工事用仮囲いです。ここに資材などが置かれていたのでしょうか。

仮囲い設置に伴いホーム先端の飲料自動販売機が隠れて見えなくなってしまうことから、この先に自動販売機がある旨の貼り紙もされています。

9・10番ホーム先端のacure自動販売機が2台並んでいる様子
件の自動販売機です。