さわやかウォーキング開催にあわせて、既に貫通している第一南巨摩トンネルを公開するイベントが開かれていました。身延線鰍沢口駅から雨降りしきる中2時間以上てくてく歩いて見てきましたので、写真を記事にまとめます。
靴は完全に水浸しになりました。
| 訪問日 | 2025年11月9日 日曜日 |
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第一南巨摩トンネルとは

まずは公開される「第一南巨摩トンネル」について軽くご説明します。
このトンネルはリニア中央新幹線の山梨県駅(仮称)~長野県駅(仮称)間をつなぐルートの一部に設けられているトンネルで、全区間が山梨県富士川町内に所在。
2022年3月に掘削を開始し、2023年10月13日に、リニア中央新幹線全体の本坑としては初めてとなる開通を迎えました。
掘削延長は約710m、断面は幅約12.8mに高さ約7.6m。NATM工法を採用した山岳トンネルです。
このトンネルから西に向かって進むと橋梁とトンネルの通過を交互に繰り返し、第四南巨摩トンネル&早川橋梁までを過ぎると、かの「南アルプストンネル」に差し掛かります。
さわやかウォーキング (余談)
いきなり余談です。このトンネル公開イベントに参加するには、まずはJR東海主催の「さわやかウォーキング」というウォーキングイベントに参加する必要があります。電車に乗ってスタート駅まで行き、駅からウォーキングを楽しみつつ各スポットを回り、最後にゴール認定を受けて参加ポイントを貯めるアレです。
……と思っていたのですが、どうやら公開イベント自体はさわやかウォーキングとは別建ての、第16回「甲州富士川まつり」併催イベント「リニアが走る町、富士川町フェスティバル」だったということを後日知りました。
甲州富士川まつり会場からシャトルバスも出ていたとのことで、それなら雨の中2時間以上ウォーキングしなくてもよかったかな……などと今は思います……。

▲甲府駅です。NewDays店舗とKIOSK NewDays売店が連続して配置されているのが面白いですね。

▲スタート駅である鰍沢口行きの身延線に乗り換えます。車内収受型のワンマン運転ですが、この日はイベント開催に伴い鰍沢口駅に臨時の改札窓口が開設されており、全扉を開けての降車扱いとなっていました。

▲鰍沢口駅には記念撮影用として急行ふじかわなどのHMが展示されていました。
とはいえこの時はそんなことなどつゆ知らず、ウォーキングに参加する気満々で特急あずさに乗りこみました。
(JR東海のイベントにJR東日本の特急で向かうというのもいかがなものかとは思いますが、とはいえ特急ふじかわに乗るために富士駅へ行こうとすると、大船駅発では普通列車乗り通し以外に手段が無く、さすがにちょっとそれは……と思ってしまうのです)
閑話休題。

第一南巨摩トンネル公開

前置きが長くなり失礼しました。第一南巨摩トンネル工事現場の様子を、まずは外観から順を追ってご紹介します。
外観

会場に入って物販・展示ブースを通過すると、トンネルの品川方坑口が見えてきました。
坑口右手には「浸潤水槽」と「ずりピット③」があります。
浸潤水槽は、重金属などを含む可能性のある、発生土に触れた浸潤水を回収する設備です。
2025年6月発行(JR東海)の「2024年度における環境調査の結果等について【山梨県】」という資料の参考資料3-5-16にこの工事現場の平面図が載っていましたが、それによると、この付近に電気設備と換気設備も設けられていたようです。

一方の左手には、「ずりピット」の①と②が連続して配置されています。
ずりピット(土砂ピット)はトンネル内から出た土砂を一時的に集積しておく仮置き場のようなものです。カッコ書きで土砂判定ピットとも書かれていますので、発生土内に含まれる重金属などの調査もここで行っているのでしょうか。

入口付近では地面がシートによって養生されていました。ここから先はヘルメットを着用して中に入ります。
鋼製アーチ支保工(トンネル工事現場を支えるための仮設構造物)の上に丸太が渡されていますが、これは一体……?現地で訊きそびれたのが悔しいです。

右手にトンネル名を伝える駅名標風デザインの案内看板が置かれており、記念撮影に活用されていました。

トンネル脇の法面はこのような形に固められています。
トンネル内部

トンネル内部です。流石は大断面のトンネルとあって、かなり広々としています。
壁際にはモニターや長机が並べられ、様々な展示が行われていました。

壁際の長机に並べられた展示物です。富士川町内の工事に関する説明やその進捗状況、トンネルの掘削方法などについての解説などがありました。このほか、リニア中央新幹線計画そのものに関する説明や、リニア新幹線の走行の仕組みに関する説明もありました。

モニターではリニア新幹線に関する映像が流されています。

このおびただしい数の黄色い棒はすべて鉄筋で、坑口から100mくらいの区間までに打設されているそうです。坑口付近は土圧が強くかかるなどの理由から、こうして鉄筋で補強するのだそうです。

鉄筋は数~10mほどごとくらいの間隔で異なる高さに揃えられていました。

L0系改良型試験車(L25-951)の模型です。ロングノーズながら安心感のある太さをもった造形をしていますね。

さて、ここまでに貼った写真でお気づきの方もいらっしゃったかもしれませんが、一直線に並ぶトンネル内の照明器具の配置が、若干片側(向かって左側)に偏っていることはお判りでしょうか?

それもそのはず、左右に分かれて配置されている鋼製アーチ支保工同士の継ぎ目がトンネル断面の中央部にあり、その継ぎ目となっている箇所には照明器具を設置できないのです。
よって、向かって左側(方角でいえば東側)にオフセットした配置になっています。

公開エリアの最奥部には、リニア新幹線のイラストが入った大きな二次元コードが掲出されています。
JR東海さんが用意された端末のカメラでそれを読み取ると、最新のAR技術が活用された、トンネル内を走行するL0系の映像を観ることができます。画面内を縦横無尽に走り回るL0系を見ていると、遠い未来のように感じられる開業時期が少し身近に感じられました。

立ち入り可能エリアの最奥部から、トンネルの名古屋方坑口側を覗いてみました。

トンネル内は公道よろしく左側通行となっているようで、左側へ寄るよう促す矢印看板が立てられています。奥にはダンプが1台停車中。

さらにその奥には車両転回場と仮設トイレがあり、そのすぐそばには跳ね上げ式と思われる白い桟橋があります。
何故トンネル内に桟橋があるのか、これについても現地で訊けばよかったと後悔しています。帰ってから気付いてももう遅い……。

トンネルの左右の脇には山型にコンクリートを盛った構造物が一直線に続いています。これはトンネル内に発生する湧水を流すための樋のような役目を持っているそう。

実際公開中も壁からは微量ながらじわじわと水が染み出してきており、約710mもの長さの壁面積があればトータルの地下水量は馬鹿に出来ないのでしょう。このように排水する仕組みを作らないとトンネル内が水浸しになってしまいそうです。

壁面に近づいてみると、補強用ロックボルトを打設した跡と思しき金属パーツがずらりと並んでいます。

前述の鉄筋が生えている区間のちょうど終端辺りまでが一般公開エリアでした。

「このケーブルは6600Vを送電中」と書かれています。誤って切ろうものなら大変なことになってしまうのでしょうね。

というわけで、雨に打たれながら2時間余りのウォーキングでした。悪天候下でも結構気持ちの良いものでしたので、リニア見学要素抜きにしてもまた行ってみたいですね。