東海道・山陽三十五次

鉄道写真を撮ったりイラスト描いたりするブログです。

リニア実験線体験乗車【乗車・感想編】

幸運にも抽選に当たり、念願のリニア体験乗車へ参加してきました。
その件に関する記事を、乗車・感想編、L0系・リニア情報まとめ編、の2つに分けて書いていきたいと思います。

車両(L0系)・設備情報まとめ編はこちら

訪問日 2023年10月25日 水曜日

乗車記

乗車前の流れ

リニア実験センターの乗降用施設建屋
大月駅からのバスを終点・リニア見学センター停留所で下車し、乗降設備のある建物*1に向かいます。門で受付メールを確認した後建物内へ。
バスの混雑が心配でしたが、蓋を開けてみればガラガラでした。皆さん自家用車でいらっしゃるようです。

建物に入るとまず行われるのは荷物検査。空港のようなX線検査機を使わない簡易的なものではありますが、荷物の中身を目視で確認されます。

発券機 発券機の画面
続いて発券。シンプルな発券機に予約番号と電話番号下4桁を入力して本人確認を行います。

東京駅のきっぷ受取機
筐体がクレジットカード用きっぷ受け取り機に似ているように思いましたが、写真で見比べると全然違いました。

改札口と受付カウンター 改札機
発券を済ませたら改札に向かいます。トイレに行きたい場合はこの間に立ち寄ることができます(ここで行かないとリニア降車後までトイレに行ける機会がありません)

改札口を抜けるとそこには広めの映写室があり、ここで乗車前にガイダンスを受けます。
座席はリニア車内に準じた並びになっており、座席番号も車内のそれと同じ番号が割り振られています。自分の番号と合致する席を探して座ります。

ガイダンスが始まるまでに少し時間がありますので、室内の展示物を見て回りました。

リニアフォトスポット
フォトスポット。

展示スペース L0系950番台の模型
L0系950番台(改良型試験車)の模型があります。

ギネス記録登録の証明書
世界最速たるギネス登録の証が飾られていました。

10:19、ガイダンスが始まります。VTRは撮影録画禁止とのことでした。

ガイダンス終了後すぐに搭乗に移ります。スクリーン右手のドアが開けられ、また乗客がA・B席とC・D席のグループに分けられ、まずはA・B席のグループから移動。

待合スペース リニア体験列車の発車標
通路を通ってタラップ(乗降装置)の元へ向かいます。途中待合スペースのような場がありましたが、今回は使われないようでした。

Aタラップ入口 Aタラップ内部
タラップはAとBの2か所が存在し、そのうちAタラップのみが列車に接続されています。いよいよ車内へ。

いよいよ乗車

車内設備の様子はL0系・リニア情報まとめ編の方の記事に書きますので、今回は割愛。

走行順序の解説
こちらの図のような順序で、4回折り返して走行します。500km/h走行は上り・下り合わせて1往復。

10:28、着席。
発車時刻は10:35と案内されていましたが、実際は10:34頃発車。「まもなく発車します」の自動アナウンスは加速が始まってから流れるので、動画を録りたい方は要注意です。(僕はそれで冒頭を録り逃しました)

285km/hを記録する車内モニタ
スムーズに加速していきます。まずは最高速度285km/hにて、実験線の東京方に移動します。

停止位置に着く少し前に、この辺りに車両基地があるとの案内がありました。屋外にありますのでGoogleマップ等の航空写真でも確認できます。

10:37、東京方・キロ程36.00km地点に一旦停車して進行方向を切替え。10:38頃、今度は名古屋方に向けて発車します。

500km/hを記録する車内モニタ
加速を続け、10:40頃、25.67km地点付近で500km/hに到達。その後1分02秒間500km/h走行を維持し、17.00km地点付近から減速が始まりました。
8km半の距離を1分で走破してしまう点に凄まじさを感じます。

10:44頃、156km/hまで落ちたところで「まもなくタイヤでの走行に移ります」とのアナウンス。
その後中程度の衝撃と同時に、これまで緩やかに落ちていた速度が一瞬で142→138km/hまで落ちましたので、この瞬間に着地したものと思われます。
(浮上に関しては衝撃が殆ど感じられず、どのタイミングで浮上走行に切り替わったのかがよく分かりませんでした)

2.40km地点にて停止している様子
10:45頃、2.40km地点にて停止。防音防災フードのない屋外です。
進行方向を切り替え、約19秒後に早くも発車。

再び500km/hを記録する車内モニタ
10:47頃、13.54km地点付近で500km/hに到達。その後30.85km地点付近まで約2分04秒間、500km/h走行を維持しました。

41.50km地点に停止している様子
10:53頃、トンネル内の41.50km地点に停車。
約8分で39.1kmもの距離を移動してしまいました。リニア、本当に速いです。

これにて500km/h走行の体験は終わり、あとは最高速度350km/hにて実験センターに戻るだけです。この間、記念ボードを使った記念撮影が行われていました。

350km/hを遅く感じてしまうというバグが発生しますが、よく考えてみればこの速度も現行の新幹線の最高速度を大きく上回っています。

10:57頃、27.70km地点・実験センターに到着しました。

乗車後(撮影タイム)

L22-951のノーズ部分
降車後は一旦列車の停車位置を名古屋方にズラし、L22-951のノーズ部分を間近で見ることができる撮影タイムが設けられていました。

この展望室は乗車用施設の中に設けられているため、体験乗車に当選しないと立ち入れないことになります。(このスペースだけでも一般開放してほしい・・・)

細部写真についてはL0系・リニア情報まとめ編の方の記事に掲載します。

総評・乗り心地

浮上走行中は小刻みな左右の揺れが多く感じられ、飛行機に近い感覚の乗り心地でした。

事前に予想していたほど前後Gは感じず、最急カーブ(R8000)通過時の横Gに至っては一切感じませんでした。

前述の通り離陸は静かで、音も衝撃も無く行われるためタイミングが分かりません。

着陸は明確に衝撃を感じました。普通鉄道に乗っている際に急ブレーキがかかった時のような、身体が少し前のめりになるような衝撃があります。飛行機の着陸時と比べればそれよりは小さいです。
また、タイヤ走行中は騒音と揺れが少し増えます。

新幹線を超える最大40‰の急勾配がありますが、東海道新幹線に乗っている時のような腰がふわふわする感覚はありませんでした。これに関しては実験線のコースの関係かもしれません(頻繁に坂を上り下りする訳ではないため)

気圧差は強く、耳が詰まる症状がかなり強かったです。弱い人は耳が痛くなるかもしれません。

着陸時に衝撃がある点以外は総じて東海道新幹線よりも乗り心地がよく、大きな揺れやGが感じられない快適な乗車体験でした。2027年開業は厳しい見通しになりましたが、この乗りもので東京~名古屋間を移動できる日が楽しみです。

blog.uswapa.com

*1:見学センターのわくわくやまなし館・どきどきリニア館とは別にある、南東側にある建物です